セーラー特殊仕様ペン先 プロフィット・レアロ クロスエンペラー

セーラー特殊仕様ペン先　プロフィット・レアロ　クロスエンペラー

セーラーは１９１１年に創業した万年筆メーカーである。
代表作プロフィット、プロフィットをベースにキャップトップと尻軸をフラットな形状にしたプロフェッショナルギアの２シリーズを中心に様々な筆記具を展開している。
また、セーラーはペン先作りに特に力を入れており、現代の名工に選ばれ、ペン先の神様と呼ばれる同社の長原宜義氏が開発したクロスポイント、長刀研ぎ、エンペラー等の特殊機構は、万年筆の歴史を変える画期的な発明であり、これらの特殊機構を備えた万年筆は愛好家の誰もが認める逸品である。
（長原氏はセーラーを退職された後も同社主催のペンクリニックで活躍されていたが、昨年１２月末でペンクリニックも引退されている。）

写真は、プロフィット・レアロ　クロスエンペラーである。
通常、プロフィットはカートリッジ・コンバーター両用式であるが、このプロフィット・レアロは吸入式となっている。
やや首軸寄りに透明のインクウィンドウが設けてあり、インクの残量が確認できるようになっている。
また、ペン先の先端にもう１枚ペン先が重ねてあるため、ペン先の先端の溝は十字の形状（クロスポイント）になっており、インクフローが潤沢になることから、極太字の文字を書くことができる。
さらに、ペン先と並行するようにエンペラーと呼ばれる板状のものが取り付けられており、エンペラーの先端は蝶の口のように巻かれてペン先の切り割り部分に接している。
この接した部分にインクが蓄えられることにより、大量のインクを消費する際には補助的にインクを供給する仕組みになっている。
セーラーの特殊仕様ペン先の中でも、このクロスエンペラーは長原宜義氏の最高傑作である。

※セーラーのペン先の種類等については下記のサイト（ペンハウス）を参考にしてください。
http://www.pen-house.net/contents/html/example/nib/sailor.html#tokusyu

万年筆国産化一〇〇年―セーラー万年筆とその仲間たち

• 作者: 桐山 勝
• 出版社/メーカー: 三五館
• 発売日: 2011/02/22
• メディア: 単行本（ソフトカバー）