秘すれば花

「秘すれば花」



「秘する花を知る事。秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず、となり。」

最近の愛読書、世阿弥の著「風姿花伝」の中の一節である。
「風姿花伝」は読んだことがなくても、「秘すれば花」という言葉を聞いたことがある人は多いと思う。

人生も半分以上を過ぎ、いつ死んでもおかしくない齢になった。
また、皺や白髪も増え、齢相応の風貌になった。
姿形は変えようもないが、せめて、心は美しくありたいものであるという理由から「風姿花伝」を読み始めた。
元々は能の教えを後世に伝えるための理論書であるが、日本古来の美学にも通じることで有名な書である。
２回、３回と読み返すにつれ、何となく内容が分かるようになってきた。

「秘すれば花」
本来は能における秘事を花に譬えたものだが、近年では人、特に女性を譬えることが多い。
普段は隠している美しさや才能こそ、いざと言う時に人の心に思いがけぬ感動を与えるものである。
あいにく、美しさや才能とは無縁の私ですが、これからの人生、できればこうありたいものです。

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風姿花伝 (岩波文庫)

• 作者: 世阿弥
• 出版社/メーカー: 岩波書店
• 発売日: 1958/10/25
• メディア: 文庫