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普段使いの万年筆(ペリカン他) [万年筆]

普段使いの万年筆

モンブランの作家シリーズ、モンテグラッパのアフロディーテ等、希少な万年筆を色々と紹介したいけれど、かなり気合を入れて記事を書く必要があるので、とりあえず、それらの紹介はもうしばらく後に延ばして、今回は普段使っている万年筆を紹介します。
普段使っている万年筆は主に次の3本です。

「ペリカン スーベレーン M805」
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ドイツのペリカンの万年筆にはスーベレーンというシリーズがあり、サイズが大型のものから順に、M1000、M800、M600、M400、M300といったモデルがある。
その中でもM800は、ヨーロッパの有名な万年筆専門誌のペン・オブ・ザ・イヤー1997に輝いたことのある、非常に人気の高いモデルである。
M800はインクの吸入や供給が安定しており、重量のバランスが素晴らしく、長時間の筆記でも疲れにくいため、万年筆の購入を検討しているお客さんに、このM800を勧める店はかなり多い。
M800はボディが緑色の縞模様で、ボディやキャップに金メッキが施してあるが、当時、どうもこの緑色の縞模様とゴールドの色使いがあまり好きではなかった。
このため、サイズや仕様はM800と全く同じで、ボディの色が緑縞からブラックに、金メッキからロジウムメッキに変更されているM805を購入した。
万年筆は購入時に好みの字幅のペン先(ニブ)を選ぶことができる。
一般的には、太字(B)、中字(M)、細字(F)の3サイズであるが、メーカーによっては極太字(BB)、極細字(EF)等のサイズもある。
このM805のニブサイズはFで、Fは手帳やノート等の筆記に向いている。
2004年4月に購入後、これまで特に不具合はなかったが、2008年7月に地元の百貨店でセーラー万年筆のペンクリニックが開催されたため、ペン先調整で有名な川口氏にこのM805を診てもらったところ、インクの出があまり良くないと言われた。
ペン先の切り割りに紙状のものを通し、目の細かいサンドペーパーの上でペン先を走らせる等の調整が行われたM805で文字や線を書いてみると、なんとインクが溢れるように出てくるではないか。
ペン先の調整というものがあるということはもちろん知っていたが、正直、これほどインクフローが良くなるとは思っていなかった。
それからは、ペン先の状態の確認を兼ねて、紙の上に万年筆のペン先を走らせ、他愛のない文字や線を書くことが週末の夜の密かな楽しみになった。
また、このM805と次に紹介するM600は吸入式の万年筆のため、インク瓶からインクを吸入する楽しみがある。
これは万年筆でしか味わうことのできない楽しい儀式のようなものである。
今回、紹介している普段使いの3本の万年筆の中では、サイズ、書き心地等において最も自分に合った1本である。

「ペリカン 旧M600」
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前述のM805はお気に入りの1本であるが、段々と遊び心のある万年筆が欲しくなった。
ボディは小さく、ニブは太字というところまではすぐ決まり、色々なメーカーのモデルを検討したが、やはり、ペリカンのモデル以外で良い候補は見つからなかった。
2011年5月、インターネットオークションで、新品未使用のデッドストックの90年代の旧M600を業者が出品したため、早速落札した。
スーベレーンが登場する前のこの旧M600は、現在のスーベレーンM400とサイズ、仕様が同等である。
オリジナルのキャップは破損していたということで、現行のスーベレーンM400のキャップが代わりに取り付けられている。
ニブサイズはOBと呼ばれるオブリーク(傾斜ニブ)のB(太字)で、万年筆をかなり傾けて書く人に適したペン先の形状になっている。
また、オブリークで書いた字の特徴として、カリグラフィーと同様、縦の線は太く、横の線は細くなる傾向がある。
私も多少ペン先を自分の方に傾けて書く癖があるが、それ以上にこのM600のオブリークのニブは傾斜していて、紙へのペン先の接地状態が十分でなく、時折、文字や線がかすれたりしていた。
購入から半年後、市内の文具店でパイロットのペンクリニックが開催されたため、このM600のペン先の調整をお願いしてみた。
パイロットの担当者もこのM600はかなりペン先の傾斜がきついですねと言われ、かなり調整に苦労されているようだった。
完全ではないですがと言われ、調整が終わったM600を受け取ってペン先を見てみると、以前よりは傾斜が緩やかになっている。
試し書きしてみると、以前よりもインクフローが良くなり、文字や線がかすれることも以前ほどではなくなった。
長時間の筆記にはあまり向いていないが、サインや文字に個性を出したい時にはこのM600を使用している。

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上がペリカン スーベレーン M805、下がペリカン M600

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上がペリカン スーベレーン M805、下がペリカン M600

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上がペリカン スーベレーン M805で書いた文字、下がペリカン M600で書いた文字

「ラミー サファリ(スケルトン)」
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お馴染みのラミーのサファリである。
スケルトンのため、入っているインクの色や量が判別しやすく、コンバーターを使用しているため、前述の2本のペリカンと同じようにインクの吸入を楽しむこともできる。
ニブサイズはMで、特にインクの出は悪くないが、いずれペンクリニックで調整をお願いしようと思っている。
セーラー万年筆の川口氏が雑誌のインタビューで答えておられたが、サファリのような鉄製のペン先のほうが調整の効果は出やすいと言われていたからである。
このサファリは手で握る部分が窪んでおり、正しい握り方で筆記することができるようになっている。
長時間筆記する時にはこのサファリの出番が多くなる。
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